「ロード・オブ・ザ・リング/ホビット」に見るカタストロフィーとユーカタストロフィー

どんな絶望的な状況でも必ず事態が好転する瞬間がある。

突然思いがけず事態が悪くなることをカタストロフィーといいますが、その逆、事態が好転することをトールキンは「ユーカタストロフィー」と呼びました。

おとぎ話の最後はハッピーエンドで終わる。

それは現実では起こり得ることのはずなのに、現代小説ではあまりない。

「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズではそれがあるんです。

善が悪を打ち破り、幸福が訪れる。「ユーカタストロフィー」があるんですね。

ということでここでは「ロード・オブ・ザ・リング」と「ホビット」におけるユーカタストロフィーを振り返りたいと思います。

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「ロード・オブ・ザ・リング」におけるユーカタストロフィー

やっぱり「ロード・オブ・ザ・リング」でのユーカタストロフィーといえば物語ラストですね。

滅びの山にたどり着いたフロドとサム。

あとは指輪を火口に放り込むだけ・・・というときにフロドは「指輪は僕のものだ」と言って指にはめようとします。

最悪・・・。サムも絶望の表情を浮かべましたよね。

でも、指輪をはめたフロドにゴラムが襲いかかる。

ゴラムはフロドの指を食いちぎり、指輪とともにマグマの中へ・・・。

ここが「ロード・オブ・ザ・リング」において代表的なユーカタストロフィーかなと思います。

ゴラムの存在が旅にとって吉となるか、凶となるか・・・ガンダルフが意味深なことを言っていましたが、結局結末だけを見れば吉となったのかなぁと思いますね。

ほかのユーカタストロフィーを感じる場面はというと・・・

「ロード・オブ・ザ・リング」ラストだけではなく、思い返してみればそれまでもユーカタストロフィーを感じる場面はありました。

たとえば、「二つの塔」クライマックスのヘルム峡谷の戦いなんかもそうじゃないでしょうか。

私ヘルム峡谷の戦いが「ロード・オブ・ザ・リング」の中でもすごく好きなんですよね。

というのも、圧倒的劣勢じゃないですか。

アラゴルン、レゴラス、ギムリ、セオデン、ローハンの人々・・・みんながみんな今日までの命かと感じていたんじゃないかなと思います。

アラゴルンはみんなを鼓舞していましたが、心のどこかではそういう気持ち持っていたんじゃないかなぁと・・・。それくらいの劣勢でした。

ハルディアが戦死し、もはやこれまでかと全員が絶望するローハン軍・・・。

とここでガンダルフとエオメル軍が登場!

まさにユーカタストロフィーですよ。一気に事態が好転し、大逆転の勝利を収めました。

ヘルム峡谷の戦いはほかのどんな戦いよりも逆転勝利という感じがして大好きなんです。

「ホビット」におけるユーカタストロフィー

「ホビット」も、「ロード・オブ・ザ・リング」と同じく物語ラストがユーカタストロフィーですね。

そう、五軍の戦いです。

竜の病にかかってしまったトーリンが閉じこもる中、アゾグ率いるオークがエレボールに襲撃してきます。

バルドたち人間&スランドゥイル率いるエルフ&ダインの軍VSアゾグ軍が戦いを繰り広げるんですよね。

でもトーリンは戦いには参加しない・・・。

アゾグたちは手強く、じわじわ劣勢になっていきます。

もうだめだ、退却だ!

そんなときにトーリンが竜の病に打ち勝ち、トーリン軍が出陣!

これで味方の士気も上がり、戦況は好転します。

ここが「ホビット」での代表的なユーカタストロフィーですね。

(とはいえその後の展開は悲しすぎるんですけどね・・・)

おわりに

私、「ロード・オブ・ザ・リング」や「ホビット」の原作者であるJ・R・Rトールキンの伝記映画「トールキン」を見たんですよね。

トールキンは学生時代の大事な仲間を戦争で失うという経験をしていて、その体験もユーカタストロフィーを意識したストーリーに影響しているのかなと思ったりしました。

つらい体験をしてきたからこそ、物語では善が勝つようにと。

トールキン自身が戦争で目にしてきたものが「ロード・オブ・ザ・リング」や「ホビット」の戦争シーンに反映されていたりするので、そんな気がしました。

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