フロドってどうしてもサムへの態度のせいで印象が悪くなりがちじゃないでしょうか。
実際私も、すでに「ロード・オブ・ザ・リング」はもう数え切れないくらい繰り返し見ていますが、いまだに2部3部のフロドにはモヤッとしちゃいます。
でも、サムへのひどい言動はフロドの本心ではない。
そう、指輪のせい。
本当はサムのことを一番の親友だと思っているし、信頼している。
それがよくわかるのが、「ロード・オブ・ザ・リング」各部ラストのフロドのサムへのセリフなんですよ。
フロドのサムへの思いを感じ取ってみましょう。
目次
「ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間」ラスト、フロドのセリフ
お前がいてくれてよかった
「ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間」ラスト、フロドとサムはアラゴルンたちと別れ山を目指します。
そこでフロドがサムに言ったのが「お前がいてくれてよかった」。
このときのセリフからは、サムがいると頼もしい、心強い。そんな感情からのセリフなんじゃないかなと想像できます。
もともとはひとりで行こうとしていたし、ひとりでも大丈夫だという思いは多少あったように思います。
でも、実際サムがきてくれると心強い。サムがいてよかった。
でも、2部3部になると、ラストのフロドのサムに対するセリフから、冒険の過酷さとサムへの信頼感・愛が伝わってくるようになるんです。
まだまだこのころは平和な感じ。
「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔」ラスト、フロドのセリフ
サムがいなければフロドはやっていけなかった
「旅の仲間」ではまだ、平和な空気感が二人の中に流れていました。
そこまでラストのセリフに重みはなかったと思います。
でも、「二つの塔」ラストのこのセリフを言うフロドのまなざしは本気でした。
サムがいないとここまでやってこれなかったし、これからの旅も続けられないだろうとフロドの中で確信していたんだと思います。
指輪に心身ともに蝕まれ、正気を失う場面もある中で、嘘偽りない本当のフロドの心を伝えた場面だと感じますね。
これからさらに指輪の力が強くなり、ゴラムの邪悪なささやきもありで二人の仲に亀裂が入ります。
でも、それでもサムがフロドを助けるのは、二人の間に強い絆があるからなんでしょう。
もちろん、世界のため、里を守るためというのもありますが、それよりもさきにフロドとサムの固い友情があるからなんだと思いましたね。
「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」ラスト、フロドのセリフ
お前が一緒でうれしいよ
指輪を火口へ投げ捨てることができたふたり。目的を果たせました。
ですが、目的を達成した瞬間に思うことは「死」。
フロドを激励し続けてきたサムですが、このときばかりは本音を吐き出します。
里への愛、思いを寄せるロージーのこと・・・。
フロドは、最後を悟りながらも「サムが一緒でうれしい」と言います。
最後の瞬間、一番の親友が一緒にいることがうれしいと。
このセリフ、第1部「旅の仲間」のラストでもサムに言っていたんですよね。
でも、そのときとはまったく状況が違います。
第1部では、「サムがいれば大変な旅も心強い」という意味だと思いますが、このときの「お前が一緒でうれしい」は、死を迎える瞬間大好きな人がそばにいることがうれしいという風に聞こえるんですね。
これがもう悲しいやら感動的やらで、ものすごく感情を揺さぶられるんですよ。
フロドとサムの絆に感動する
指輪やゴラムのせいでフロドの印象は悪くなりがちなんですけど、心の底ではふたりは強い絆で結ばれているんですよね。
「ロード・オブ・ザ・リング」各部ラストのフロドのセリフにはそれが感じられるので、すごく胸にぐっときます。