映画を観ればわかりますが、ガンダルフってホビットやドワーフなどほかの人物に比べ25%ほど大きいんですよね。
つねに1.25倍ドワーフやホビットより大きく見せる必要があるんです。
同じ画面内のガンダルフだけ大きくしないといけない・・・さて、どうやって映画「ロード・オブ・ザ・リング」「ホビット」は撮影されたのでしょうか。
目次
映画「ロード・オブ・ザ・リング」での撮影方法
「ロード・オブ・ザ・リング」では遠近法でガンダルフを大きく見せていました。
遠近法ということはつまり、フロドたちほかのキャラクターよりもガンダルフを手前に配置して視覚効果で大きく見せていたんですね。
しかし、映画「ホビット」では3D撮影となり、遠近法での撮影は通用しません。距離感がバレるんです。
映画「ホビット」での撮影方法
ガンダルフ以外は実物大のセットで撮影し、ガンダルフはそのセットの縮小版で撮影。
カメラのアングル、動きは、実物セットと縮小セットまったく同じにして撮影して2つの映像を合成すると・・・ひとつの映像になるというわけです。
お互いの声が聞こえない、見えない
ガンダルフとガンダルフ以外は別々のセットで撮影されるので、当然お互いの声は演技中聞こえないし姿も見えないんです。
声はイヤホンで聞いていたそうですが、姿が見えない中ひとりで演技をするのはやはり難しかったようですね。
ガンダルフ演じるイアン・マッケランいわく「こんな撮影なんて聞いてない、これが中つ国だって?」。
それでも、完成を見たら別々に撮影したなんてまったくわからないですよね。
普通にひとつの空間にいるかのように何の違和感もないのはさすが。これは、イアン・マッケラン以外の役者さんすべてそうですよね。
イアン・マッケラン「帰りたい」
お互いの姿が見えない、ひとりでの空間になるので、イアン・マッケランは相当難しかったようです。
思わず「帰りたい」と本音を漏らしてしまうことも。
難しさ+孤独さから、出演を辞退したいとすら思っていたそうです。
スタッフたちの粋なはからい
つらそうなイアン・マッケランを数日見ていた裏方のスタッフたちは、イアン・マッケランがスタジオを後にするとガンダルフ用のセットに中つ国の装飾を施し、彼の好きな音楽などを飾りました。
イアン・マッケランへの感謝を込めて。
自分自身に失望した気持ちを抱えながら次の撮影の日セットを訪れたイアン・マッケランは深く感動をしました。
こんなことすらできないなら俳優は引退かとも考えていたイアン・マッケランにとって、製作陣のはからいにはとても心が救われたのではないでしょうか。
何でもないように見えるけどかなり苦労していた
「ロード・オブ・ザ・リング」のときでも、遠近法で撮影していたため目線や行動には通常以上の難しさはあったと思います。
ですが「ホビット」では完全に別々で撮影となり、これがかなり私たちが思っている以上に大変だったんですね。
映画を観ているときは苦労をまったく感じさせませんでしたが、実際はそんな苦労がありました。
そこで追い詰められているイアン・マッケランにプチサプライズをしかけるところに、製作陣たちのあたたかさ、作品への愛が感じられます。
そしてそのスタッフからの感謝の気持ちを受け取ったイアン・マッケランはまた笑顔に。
そんな愛がつまった作品だからこそこんなに良い作品に仕上がるんだなと感じます。